蕁麻疹(じんましん)の治療
蕁麻疹(じんましん)は、急性皮膚病のひとつとされ、血管浮腫(クインケ浮腫)と呼ばれる疾患の一種です。蕁麻(イラクサ)の葉に触れると痒みを伴う発疹が出現するため蕁麻疹と命名されたと言われています。
皮膚に痒みを伴う発疹が生じ、数時間で治まりますが発作的に同じ発疹が起こる場合があります。
既存治療にて効果不十分な場合ゾレアやデュピクセントの注射による治療も行います。
ゾレア®は特発性の慢性蕁麻疹を起こす元の一つと考えられているIgEを抑える作用のある薬剤です。
デュピクセント®は、2 型炎症において中心的な役割を果たすタンパク質インターロイキン 4 およびインターロイキン 13 (IL-4 および IL-13)の作用を阻害する完全ヒト型モノクローナル抗体製剤です。2 型炎症は、アトピー性皮膚炎や気管支喘息、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎、結節性痒疹などと同様に、特発性の慢性蕁麻疹にも関与していることが示されています。
蕁麻疹病型分類
Ⅰ.特発性の蕁麻疹
1.急性蕁麻疹(発症後6週間以内)
2.慢性蕁麻疹(発症後6週間以上)
Ⅱ.刺激誘発型の蕁麻疹(特定刺激ないし負荷により皮疹を誘発することができる蕁麻疹)
1.アレルギー性の蕁麻疹
2.食物依存性運動誘発アナフィラキシー FDEIA
3.非アレルギー性の蕁麻疹
4.アスピリン蕁麻疹
5.物理性蕁麻疹(機械性蕁麻疹、寒冷蕁麻疹、日光蕁麻疹、温熱蕁麻疹、遅延性圧蕁麻疹、水蕁麻疹)
6.コリン性蕁麻疹
7.接触蕁麻疹
Ⅲ.血管性浮腫
1.特発性の血管性浮腫
2.刺激誘発型の血管性浮腫
3.ブラジキニン起因性の血管性浮腫
4.遺伝性血管性浮腫(HAE)
Ⅳ.蕁麻疹関連疾患
1.蕁麻疹様血管炎
2.色素性蕁麻疹
3.Schnitzler症候群およびクリオピリン関連周期熱症候群
特発性蕁麻疹の治療
Step1
非鎮静性の第二世代抗ヒスタミン薬
適宜変更、2倍量までの増量、2剤の併用
Step2
Step1に追加してH2拮抗薬、抗ロイコトリエン薬
Step3
Step1またはStep1、2に追加または変更して副腎皮質ステロイド内服、オマリズマブ(ゾレア)またはシクロスポリン
Step4
試行的治療